袋井市下山梨上【翠明車】

袋井市下山梨上【翠明車】

1946年(昭和21年)に憲法公布を記念して、有志によって杉屋台が製作され曳き回しが行なわれました。そして、1952年(昭和27年)に初代の「翠明車」が完成。

1976年(昭和51年)には若い人たちからの強い要望のもと、二代目の屋台が建設。その後、30年間にわたり親しまれてきましたが、老朽化が進み新たな屋台の建造が決定します。

そして、2007年(平成19年)に、三代目となる現在の屋台が完成しました。

総ヒノキづくりで、全長約5.5メートル、幅約2.8メートル、高さ約4メートル。屋台本体は山本建築が手掛け、彫刻は富山県の井波で修行を積み、2017年(平成29年)には現代の名工(卓越した技能者)として厚生労働大臣の表彰も受けた伊藤章晴(浜松市北区)。

建具は鈴木昌二(袋井市久能)、御簾は三原加工所(浜松市南区)、飾り金具は村井神仏金物製作所(愛知県刈谷市)が携わっています。

御簾脇には天手力男命(あまのたぢからおのみこと)と天鈿女命(あまのうずめのみこと)、欄間の正面には天孫降臨など神話のエピソードに基づいた彫刻が施されています。

脇障子には、夫婦鶴の透かし彫り。外側に向かって余白があり広がりを感じさせると共に、内側に向かって引き締まり、スッキリとした印象を与える図柄となっています。

屋台の後方の持ち送りには、鯉の滝昇り。龍門を昇ることができた鯉は龍になるという故事から、左右欄間の龍の彫刻へと、つながっているのもポイントです。後方の欄間には唐獅子牡丹。彫刻でも難易度の高いとされる籠彫りもあります。

太鼓台には、一般的に力神の彫刻もしくは蒔絵が施されますが、「翠明車」では打ち出の小槌となっているのも特徴のひとつです。支輪には花鳥、木鼻には阿吽の獅子、隅木鼻には阿吽の獏、虹梁には鳳凰や牡丹、菊水、障子腰には宝尽くしなども。

龍や獅子の表情が凛々しく激しさを感じさせる「翠明車」町民の想いがカタチなった素晴らしい屋台となりました。

間もなく、総ヒノキづくりの屋台の保護のため、漆塗りの工程が始まり、2020年(令和2年)の夏頃には仕上がる予定です。今後も経過報告などをお伝えできたらと思っています。

袋井市下山梨上【翠明車】塗完