タグ: 掛川市各和【瑞宝社】

2019/11/28

建造実績・二輪屋台:掛川市各和「瑞宝社」後編

前回(http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/?p=5581)に引き続き、山本建築の祭り屋台の建造実績として、掛川市各和「瑞宝社」の二輪屋台のご紹介です。今回は各所に取り付けられた彫刻を中心に詳しくお伝えします。

1994年(平成6年)に完成した三代目となる瑞宝社には、井波彫刻の伝統工芸士・池田誠吉(富山県南砺市)による彫刻が各所に施されています。

四方の欄間には各和の地域を守る龍と発展を表す青雲。御簾脇には唐獅子牡丹。脇障子に牡丹と花の両面彫り。支輪には四季の花鳥。虹梁に浜波、虹梁の木鼻には獅子頭8体。肘木の木鼻にも獅子頭10体を配置。

さらに四隅の木鼻には貘(ばく)4体。ちなみに貘とは、“獏”とも表記される中国の想像上の動物。鼻はゾウ、目はサイ、尾はウシ、足はトラ、体形はクマに似ていると言われています。また人の見る悪夢を食べると伝わっていることから、邪気を払う縁起の良い動物と考えられています。

さらに腰長押欄間には波に千鳥など、屋台の名称でもある“瑞宝”、つまり“気品のある、めでたい宝”に、相応しい立派な二輪屋台が完成しました。

ホームページには、他にもこれまで山本建築が手掛けてきた多くの祭り屋台をご紹介しています。宜しければ、そちらも是非チェックしてみてください。

【建造実績一覧】
http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/built

2019/11/21

建造実績・二輪屋台:掛川市各和「瑞宝社」前編

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は掛川市各和「瑞宝社」の二輪屋台です。

各和の祭典の歴史は古く、約130年前に杉屋台と呼ばれる物をつくり、曳き回されていたと伝わっています。その後には、簡素ながらも耐久性のある屋台につくり変えられ、名称も“瑞宝”と記されていました。こちらが初代の瑞宝社と考えられています。

しかし初代の屋台も時の流れとともに破損し解体され、しばらくは村芝居を楽しむ時代が続きます。その後、各地で再び屋台づくりが盛んになり、各和でも1970年(昭和45年)頃に、青年有志が中心となって、手づくりの屋台として二代目の瑞宝社が完成しました。

20年以上曳き回された後に、老朽化と安全性の観点から新屋台の建造の要望が出され、地域の皆さんの深いご理解のもとに、三代目となる瑞宝社が1994年(平成6年)に完成しました。

屋台の大きさは全長約5.52メートル、全高約3.75メートル、全幅約2.72メートル。屋台本体は山本建築が手掛け、彫刻は井波彫刻の伝統工芸士・池田誠吉(富山県南砺市)が携わっています。車輪は二代目・角千代(森町)のカシ木材の逸品を、二代目の屋台から引き継いでいます。

各所の彫刻などについて、次回にさらに詳しくご紹介していきたいと思います。