タグ: 森町下宿【桑水社】

2019/06/27

建造実績・二輪屋台:森町下宿「桑水社」後編

前回(http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/archives/5425)に引き続き、山本建築の祭り屋台の建造実績として森町下宿「桑水社」のご紹介です。

初代から数えて現在で三代目となる「桑水社」は、1924年(大正13年)に建造されました。1984年(昭和59年)には、山本建築の初代・山本庄平が大改修を実施しました。当時の改修工事では屋台の全体的なバランスを考慮するのが、とても難しかったとの逸話も残っています。

その後1999年(平成11年)には、再び山本建築にて、彫刻の取り替えや支輪の増設工事をさせていただきました。その後、老朽化に伴い車輪を新装いたしました。現在の屋台に付いている車輪は山本建築が手掛けたものとなります。

彫刻の取り替え工事では、御簾脇と正面の欄間の旧作品を取り替えました。支輪の彫刻には八仙を含む仙人を配しました。井波彫刻の伝統工芸士・池田誠吉(富山県南砺市)が手掛けたものです。

また誰もが知っている“桃太郎の物語”や屋台の名称にちなんだ“桑の葉に水をかける唐子”の彫刻も見応えがあります。

「桑水社」では、御簾脇、支輪、正面の欄間はケヤキが使われていますが、両側面と後の欄間は昔のままで、ケヤキの風合いに負けない味が出ているのも特徴になっています。

ホームページには、他にもこれまで山本建築が手掛けてきた多くの祭り屋台をご紹介しています。宜しければ、そちらも是非チェックしてみてください。

【建造実績一覧】
http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/built

2019/06/20

建造実績・二輪屋台:森町下宿「桑水社」前編

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は森町下宿「桑水社」です。

初代となる屋台は江戸時代に、二代目は明治初期に、三代目は1924年(大正13年)に松浦清太郎をはじめとする工匠たちによって建造されました。車輪は鈴木喜平、塗装は袋井市久津部の方が手掛けています。

彫刻は宮本丹次(袋井市上山梨)によるもので、桃太郎の物語や桐に鳳凰、鯉乗り琴高仙人、亀乗り黄安仙人などが彫り上げられています。建造当時は、彫刻を取り付けた屋台が珍しかったこともあり、非常に注目を集めたと言われています。

屋台の名称である「桑水社」は、古代の中国で日照りが続いた際に、人々の渇きを癒やした桑の大木の葉に溜まった水滴に由来しています。

1984年(昭和59年)10月に、山本建築の初代・山本庄平が大改修を実施しました。大改修の部分は、手木、中屋台、桁の上部の高欄で、構造上の主要な部分を新しく変更いたしました。屋台の上部が大きくなった分、下を支える手木の部分も補強して、新たに生まれ変わりました。

当時の写真を確認すると旧屋台の漆部分に対して、改修した箇所のヒノキ材が白く、とても分かりやすいコントラストになっています。次回は、さらに1999年(平成11年)の彫刻の取り替えや支輪の増設工事について、ご紹介します。