タグ: 森町仲横町【比雲社】

2019/10/31

建造実績・二輪屋台:森町仲横町「比雲社」後編

前回(http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/archives/5689)に引き続き、山本建築の祭り屋台の建造実績として、周智郡森町仲横町「比雲社」の二輪屋台のご紹介です。

1993年(平成5年)に完成し、1995年(平成7年)には漆塗りも施された現在の屋台。高さは約3.8メートル、全長は約5.5メートル、幅は約2.8メートル、車輪の直径は約1.6メートル、重量は約2トン。

左右の欄間には「比雲社」のシンボルでもある4本爪の双龍。3本爪は庶民、4本爪は貴族、5本爪は皇帝といったように、龍は爪の数によって位の高さが表現されます。旧屋台の天幕は、昭和天皇のご成婚を祝して新調されたので、5本爪を避けつつも位の高い4本爪の双龍の刺繍が施されました。現在の屋台も、この双龍に合わせて4本爪の彫刻となっています。

御簾脇には、右に三島神社のご祭神で、山の神様・大山津見神(おおやまつみのかみ)と、左にその妻で草の神様・鹿屋野比売神(かやぬひめのかみ)。正面の欄間には、大山津見神の娘・木花開耶媛命(このはなさくやひめのみこと)の子供・穂々手見命(ほほでみのみこと)の誕生を祝う図。

脇障子には、神様を守護する外睨みの龍と虎。両面彫りで裏側には唐獅子牡丹。後方の欄間には鳳凰、支輪には四季の花鳥の彫刻が施されています。天幕をより一層引き立てるために、シンプルでありながらも繊細な桐麻模様の入った障子の格子もポイントです。

2013年(平成25年)には、各所のチェックをはじめ、漆の塗り直しや欄干の改修なども実施。山本建築では、祭り屋台の新造の他に彫刻や漆塗り、車輪などの各種のメンテナンスも手掛けています。お困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

【ホームページからのお問い合わせ】
http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/contact/

2019/10/24

建造実績・二輪屋台:森町仲横町「比雲社」前編

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は周智郡森町仲横町「比雲社」の二輪屋台です。

先代の屋台は、1889~1890年(明治22~23年)頃に建造。工匠は内藤権六とその親方、車輪は村松利雄が手掛けたと伝わっています。

1922~1923年(大正11~12年)頃には大改修も実施。天幕は昭和天皇のご成婚を祝して東京の白木屋に注文。製作途上で大きな被害を及ぼした関東大震災がありましたが、龍の刺繍を入れるために、天幕は京都に出されていたので、難を逃れたというエピソードも。

約100年の時を経て老朽化にともない、1993年(平成5年)に現在の屋台が建造。屋台本体は山本建築が手掛け、彫刻は井波彫刻協同組合(富山県南砺市)、車輪は村松勝利が携わっています。

ちなみに先代の屋台は、森町に現存する最古の屋台であり、森の屋台の原型に最も近いため、文化財として指定され、金守神社の境内に保存されています。塗り師は掛川の住人で、柱の見事な“貝入れ塗り”も特色の一つとなっています。

現在の屋台は、天幕と同様に左右の欄間には双龍の彫刻が施されています。正面の欄間や御簾脇の神々の彫刻、建具の特徴などについては、さらに次回に詳しくご紹介していきたいと思います。