タグ: 袋井市下山梨上【翠明車】

2019/11/14

建造実績・二輪屋台:袋井市下山梨上「翠明車」後編・令和2年漆塗り竣工予定!

前回(http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/archives/5721)に引き続き、山本建築の祭り屋台の建造実績として、袋井市下山梨上「翠明車」の二輪屋台のご紹介です。今回は各所に取り付けられた彫刻を中心に詳しくお伝えします。

2007年(平成19年)に完成した三代目となる現在の屋台。御簾脇には天手力男命(あまのたぢからおのみこと)と天鈿女命(あまのうずめのみこと)、欄間の正面には天孫降臨など神話のエピソードに基づいた彫刻が施されています。

脇障子には、夫婦鶴の透かし彫り。外側に向かって余白があり広がりを感じさせると共に、内側に向かって引き締まり、スッキリとした印象を与える図柄となっています。

屋台の後方の持ち送りには、鯉の滝昇り。龍門を昇ることができた鯉は龍になるという故事から、左右欄間の龍の彫刻へと、つながっているのもポイントです。後方の欄間には唐獅子牡丹。彫刻でも難易度の高いとされる籠彫りもあります。

太鼓台には、一般的に力神の彫刻もしくは蒔絵が施されますが、「翠明車」では打ち出の小槌となっているのも特徴のひとつです。支輪には花鳥、木鼻には阿吽の獅子、隅木鼻には阿吽の獏、虹梁には鳳凰や牡丹、菊水、障子腰には宝尽くしなども。

龍や獅子の表情が凛々しく激しさを感じさせる「翠明車」。間もなく、総ヒノキづくりの屋台の保護のため、漆塗りの工程が始まり、2020年(令和2年)の夏頃には仕上がる予定です。今後も経過報告などをお伝えできたらと思っています。

2019/11/07

建造実績・二輪屋台:袋井市下山梨上「翠明車」前編

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は袋井市下山梨上「翠明車」の二輪屋台です。

1946年(昭和21年)に憲法公布を記念して、有志によって杉屋台が製作され曳き回しが行なわれました。そして、1952年(昭和27年)に初代の「翠明車」が完成。

1976年(昭和51年)には若い人たちからの強い要望のもと、二代目の屋台が建設。その後、30年間にわたり親しまれてきましたが、老朽化が進み新たな屋台の建造が決定します。そして、2007年(平成19年)に、三代目となる現在の屋台が完成しました。

総ヒノキづくりで、全長約5.5メートル、幅約2.8メートル、高さ約4メートル。屋台本体は山本建築が手掛け、彫刻は富山県の井波で修行を積み、2017年(平成29年)には現代の名工(卓越した技能者)として厚生労働大臣の表彰も受けた伊藤章晴(浜松市北区)。

建具は鈴木昌二(袋井市久能)、御簾は三原加工所(浜松市南区)、飾り金具は村井神仏金物製作所(愛知県刈谷市)が携わっています。

次回はさらに御簾脇や脇障子、欄間、持ち送り、太鼓台など各所の彫刻について、詳しくご紹介していきたいと思います。