タグ: 袋井市川井東【慶雲車】

2020/04/16

建造実績・二輪屋台:袋井市川井東「慶雲車」後編

前回(http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/?p=5884)に引き続き、山本建築の祭り屋台の建造実績として、袋井市川井東「慶雲車」の二輪屋台のご紹介です。今回は屋台の特徴や二代目の屋台の題材を継承した各種の彫刻について詳しくお伝えします。

1995年(平成7年)に完成した三代目となる現在の屋台。その大きな魅力の一つは豪華な天幕です。赤地に金色の龍と虎の刺繍が、脇障子や車輪などの漆塗りの黒色と鮮やかなコントラストを生み出しています。

また高欄の架木(ほこぎ)もポイントです。擬宝珠(ぎぼし)柱をつらぬいて、外側に架木が出ているのが一般的ですが、「慶雲車」では内側のみで収めて、すっきりとした形に仕上げています。

欄間の彫刻は、正面に鳳凰、後面に松に鷹、側面には龍。支輪には、十二支と方位の四神である青龍、白虎、朱雀、玄武を透かし彫りで配置。木鼻には、獅子や獏も。

御簾脇の左面は、ひよどり越えの合戦で、源義経が一ノ谷(兵庫県神戸市)の平家軍を襲撃しようと、鷲尾三郎を先頭に急峻な崖を人馬一体となって駆け降りる場面です。右面は、屋島(香川県高松市)の戦いで、那須与一が平家の船上に掲げられた扇の的を射落とした場面。

脇障子の右面には桜と平和のシンボルの鳩。左面には松と長寿のシンボルの鶴。腰彫りには、波に千鳥と水波におしどり。障子腰には水波に鯉が彫り上げられています。

ホームページには、他にもこれまで山本建築が手掛けてきた多くの祭り屋台をご紹介しています。宜しければ、そちらも是非チェックしてみてください。

【建造実績一覧】
http://yatai.yamamoto-kenchiku.co.jp/built

2020/04/02

建造実績・二輪屋台:袋井市川井東「慶雲車」前編

山本建築が実際に手掛けた祭り屋台の建造実績をご紹介したいと思います。今回は袋井市川井東「慶雲車」の二輪屋台です。

現在のような屋台の曳き回しによる祭典が行なわれたのは、1842年(天保13年)と伝わっています。皇紀2500年を記念し、当時の山名郡川井村の6町が合同で屋台をつくり曳き回しをしました。

1879年(明治12年)に、元町と東町、南町の3町が東町組として分離し、坪井清八により袖障子や御簾脇障子を新調して旧屋台を引き継ぎます。こちらが初代の「慶雲車」となります。ちなみに「慶雲車」の名称は、町内に縁起の良い雲がたなびき、慶(よろこ)び事が重なるようにと祈って命名されました。

1928年(昭和3年)には、二代目となる屋台を木工品の専門職人である指物師の渡辺松次“建松”に依頼して建造。彫刻は、松原重正の作となっています。1937年(昭和12年)には、天幕を神戸大丸にて製作。非常に豪華な天幕は、現在も町内のシンボルとして三代目の屋台に引き継がれています。

町民に愛されていた二代目の屋台も長年の曳き回しによる傷みが大きくなり、1991年(平成3年)に新しい屋台の建造が決定。1995年(平成7年)には、三代目の「慶雲車」が完成しました。

樹齢300年以上のヒノキ材を採用した二輪屋台で、大きさは全長約5.46メートル、全高約3.73メートル、全幅約2.36メートル。屋台本体は山本建築が手掛け、彫刻は井波彫刻協同組合(富山県南砺市)、車輪は和田木工所(浜松市天竜区)、建具は望月建具店(周智郡森町)が携わっています。

今回はここまでですが、各種の彫刻などについては、次回に詳しくご紹介したいと思います。